中央アジアのネアンデルタール人ーテシク・タシュ洞窟発掘をめぐってー
30~20万年前頃のヨーロッパで生まれ、5~4万年前頃に絶滅した人類、ネアンデルタール人。ホモ・サピエンスと最も近縁な種の一つとされている。彼らを知る手がかりとなる化石人骨は、ヨーロッパを中心に発見されていたが、中央アジアへの広がりを明らかにしたのが、本書で紹介する1938年のテシク・タシュ洞窟発掘調査だ。この調査結果がセンセーショナルだったのは、埋葬された全身骨格が見つかったことに加え、埋葬痕跡、石器、動物骨等々、古人類遺跡の研究に必要な証拠が全て揃っていたことで、これほどに資料が揃うのは今なお、テシク・タシュ洞窟以外には無い。本書第1部では、このネアンデルタール人研究の定点ともいえるテシク・タシュ洞窟発掘の調査報告書の完全邦訳を、第2部ではそれをふまえて、筆者がこの10余年にわたって調査してきたネアンデルタール人遺跡の調査成果もあわせて、ネアンデルタール人研究の最前線を総括した。今後の研究展開に資する重要な学術成果である。
出版社
株式会社同成社
ISBN
978-4-88621-859-9
出版年
1 Jan 2021 – 31 Dec 2021
専門
人文科学
テーマ
考古学
地域
中央アジア