新羅・唐関係と百済・高句麗遺民:古代東アジア国際関係の変化と再編〈山川歴史モノグラフ40〉
7世紀中葉、朝鮮半島では高句麗・百済・新羅が激しい抗争を繰り広げた。劣勢の新羅は唐と連合することで百済・高句麗を滅ぼし、その間に倭(日本)の介入も退けた。しかし、両国の関係はまもなく破綻し、羅唐戦争と呼ばれる軍事衝突へといたった。本書では、このように大きく変化した古代東アジアの国際情勢のなかで、百済・高句麗の滅亡で発生した「遺民」たちの活動や、それが新羅・唐の国家関係に与えた影響を分析している。
この分析を通して、新羅が唐との関係をいかに構築したのか、さらに新羅による百済・高句麗遺民の統合過程も見えてくる。また従来、羅唐戦争や両国関係の研究では、朝鮮側と中国側の史料で伝える内容が異なり、史料の信憑性という避けて通れない問題が存在した。これに対して本書は、近年中国で数多く出土した唐代の墓誌史料を活用し、総合的に検討することで解決をめざしている。
なお本書における「遺民」の語には、離散・越境する人々を指すのに用いられてきた「ディアスポラ」の意味も込めている。百済・高句麗遺民には、半島に残って新羅に帰属した人々のほか、政治的目的で唐へ強制的に移住させられたり、日本列島も含めた東アジア各地に拡散・移住した人々もいた。こうした人々やその子孫の視点から、東アジアにおける新羅の「三国統一」の歴史的意義を捉え直すことが、本書の最大の目標である。
この分析を通して、新羅が唐との関係をいかに構築したのか、さらに新羅による百済・高句麗遺民の統合過程も見えてくる。また従来、羅唐戦争や両国関係の研究では、朝鮮側と中国側の史料で伝える内容が異なり、史料の信憑性という避けて通れない問題が存在した。これに対して本書は、近年中国で数多く出土した唐代の墓誌史料を活用し、総合的に検討することで解決をめざしている。
なお本書における「遺民」の語には、離散・越境する人々を指すのに用いられてきた「ディアスポラ」の意味も込めている。百済・高句麗遺民には、半島に残って新羅に帰属した人々のほか、政治的目的で唐へ強制的に移住させられたり、日本列島も含めた東アジア各地に拡散・移住した人々もいた。こうした人々やその子孫の視点から、東アジアにおける新羅の「三国統一」の歴史的意義を捉え直すことが、本書の最大の目標である。
出版社
2022年4月
ISBN
978-4-634-67395-3
出版年
1 Jan 2022 – 30 Nov 2022
専門
人文科学
テーマ
国際関係と政治学
歴史学
ディアスポラスと移民
地域
グローバル・アジア(アジアと世界のその他の地域)
東アジア
韓国
北朝鮮
日本
中国